健康食品, 美容製品, おすすめ20選
保健機能食品を含む健康食品に関する安全性を確保するためにどのような施策が取られているか、以下の3点について、ご説明します。
1. 健康食品等の品質に関する現状
2. GMPとは何か?
3. GMPの認証機関
それでは、順番に説明します。
1. 健康食品等の品質に関する現状
通常の食品等の事業者は安全な食品を消費者に提供するために、必要な衛生管理が求められています。一方で、機能性表示食品やサプリメント等では、錠剤やカプセル剤を用いたものがたくさんあります。このような場合には、原材料の安全性が確認されていたとしても、製剤化する工程に、成分の抽出や濃縮等があり、このような工程が加わる事で、成分の量が均一化されていなかったり、含有される種々の成分量の割合が変わってくる可能性があり、製剤の安全性が保証出来ない可能性があります。
従って、原材料の安全性の確認以外、健康食品等の製造の各工程、並びに最終品において、品質のチェックが必要になってきます。
医薬品においては、品質、有効性、安全性を確保するために、製造工場に対して「医薬品の製造管理及び品質管理の基準」(GMP : Good Manufacturing Practice)を遵守して、医薬品を製造することが求められています。この基準により、医薬品を製造する過程についても適切に管理し、品質の良い優れた医薬品を恒常的に製造する事が出来ます。
2. GMPとは何か?
健康食品に関しては、厚生労働省の「健康食品」の安全性確保に関する検討会で審議され、2005年2月に「適正製造規範(GMP)ガイドライン」が公表されています。GMPは原料の受入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、「適正な製造管理と品質管理」を求めています。また、対象としては、濃縮された成分等を含む錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤等の健康食品について、一定の安全性の確保、個々の製品の成分の均一化を図る事を目的としています。
GMPとは、だれが作業しても、いつ作業しても消費者が安心して購入出来る品質の高い製品を作るためのルールを文書化したもので、商品の製造に際して、決められた文書に従って製造するための基準書になります。
GMPの基本的な方針として、「GMPの3原則」が決められています。
これらを満たすために、ハード面(構造設備)とソフト面(作業管理・運用)の規定を、手順書として作成することになっています。
3. GMPの認証機関
医薬品のGMPは、製造所の法律上の許可要件になっているのに対し、健康食品のGMPガイドラインは、事業者による自主点検結果を第三者が認証する民間主導の制度となっています(つまり、国による認証制度はありませんが、厚生労働省の支援を受けた第3者認証制度のもとで運営されています)。
現在、厚生労働省がオブザーバーとなっている健康食品認証制度協議会の指定を受けたGMP認証機関としては、「公益財団法人 日本健康・栄養食品協会」及び「一般社団法人 日本健康食品規格協会」の2機関があり、GMPの認定に係わる審査を行っています。認定機関は、ガイドラインに則った製造・品質管理の実施状況を評価し、GMP適合性の認定を行っています。適合性の判断は調査員による書類調査及び実地調査の調査結果報告に基づき、有識者による外部委員からなるGMP認定工場認定審査会において審査されます。
GMP認定工場(GMP認定工場マーク)で製造された健康食品であることが認められた場合には、認定機関より、GMP認定工場で製造された製品に「GMP製品マーク」の表示の承認が行われます。「GMP製品マーク」の表示をするには、製品毎の承認申請が必要で、表示の承認期間は3年間で、3年毎に更新申請が必要になります。
「GMP製品マーク」は優れた品質の製品として、消費者に安心してお求めいただく目安となります。
【本項目における纏め】
保健機能食品等の健康食品と医薬品とでは、① 製品の品質の違い(原材料及び最終製品の品質)、② 有効性、安全性の化学的根拠(病気を持った方と、健康な方での評価)、③ 医師、薬剤師の管理の有無(専門職の関与の在り方)において差があります。消費者は、健康食品等の摂取にあたり、上記3点の違いが、安全性に係わることを、良く理解しておく必要があります。
今回のテーマでは、健康食品の安全性の確保施策としては、GMPガイドラインを基にした健康食品、保健機能食品等の製造が、今後のポイントになることをお話ししました。
この他にも、事業者に対する重篤な有害事象報告の情報収集の仕方、評価方法等も保健機能食品等を安全に用いる際に、大事なポイントになる事を認識して頂きたいと思います。
関連記事 ④ では、「未承認医薬品等、適応外医薬品等の使用について」説明いたします。
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